Research
Research
研究関心と現在取り組んでいる課題
Research Question
同じサービスを利用しても、なぜ顧客の経験と行動は分かれるのか
サービスの利用者は、単に価値を受け取るだけの存在ではありません。サービスを理解し、必要な行動を選び、自分や周囲の資源を組み合わせながら利用に参加します。ところが、同じサービスや同じ要求に直面しても、顧客がたどる経路は一様ではありません。自力で続ける人、支援を求める人、別の選択肢へ移る人、先送りする人、利用をやめる人がいます。
私の研究は、この違いが生まれる仕組みを、顧客側の準備性とサービス側の支援、その間で形成される経験の関係から捉えます。目指しているのは、顧客に参加を求めるだけでなく、参加しやすいサービスを設計するための知見を示すことです。
Research Areas
三つの領域を、一つの問題意識でつなぐ
01
顧客参加と顧客共創準備性
顧客がサービスに参加し、他者とともに価値を生み出すには、知識や技能だけでなく、動機、心理的な余裕、時間、周囲から得られる支援も必要です。これらを顧客共創準備性(CCCR)として整理し、概念モデルと測定尺度の開発を進めています。
02
顧客経験と行動成果
良い経験や高い満足が、継続利用や支出配分にそのまま結びつくとは限りません。顧客経験のどの要素が中心となり、どこで行動成果との接続が弱くなるのかを、潜在変数モデルと項目レベルのネットワークの両方から診断します。
03
価値共創・価値共破壊とウェルビーイング
サービスの利用では、資源統合が価値やウェルビーイングを高める場合もあれば、すれ違いによって価値が損なわれ、利用の縮小や中断に至る場合もあります。とくにヘルスケアを対象に、個人間の相互作用だけでなく、組織、制度、社会規範を含むサービスシステムの影響を検討しています。
Current Work
現在の研究は、顧客の準備性と経験の接続に向かっています
顧客準備性と顧客経験品質の相互作用メカニズム
日本学術振興会 科学研究費助成事業(科研費)研究活動スタート支援、2025–2027年度。顧客側の準備性と、サービス利用を通じて形成される経験品質が、どのように影響し合うかを検討しています。
顧客共創準備性(CCCR)の概念化と尺度開発
顧客が価値共創へ参加する前提を、複数の資源と心理的条件から捉える尺度を開発しています。サービス領域を越えて使える部分と、文脈によって変わる部分を分けて検証します。
顧客経験とサービス参加の行動的帰結
顧客経験の評価が継続、支援要請、選択変更、利用中断などの行動に結びつく条件を研究しています。態度と行動の間にある弱い接続も、分析すべき結果として扱います。
Approach
主に量的アプローチを採用しています。
主な分析方法
- 構造方程式モデリング
- 心理ネットワーク分析
- 探索的・確認的因子分析
- テキストマイニングとトピックモデル
- 質的データ分析
- 公開データの二次分析
主な研究文脈
- 対人・専門サービス
- ヘルスケアサービス
- 顧客経験マネジメント
- 小売・消費者行動
- スポーツ観戦行動